下郷農協の小麦の産地を訪ねました(番外編~大分日記)

6月は麦の収穫月。GAIAの店頭でもおなじみ「耶馬溪素麺」「耶馬溪乾饂飩」の小麦の収穫が始まる頃、小麦の生産者グループ「麦部会」の松本さんにお話を伺いました。

「耶馬溪素麺」「耶馬溪饂飩」に使われる小麦は農協事務所からほど近い畑で農薬・化学肥料不使用で栽培されている。手がけるのは下郷農協の参事、松本聡雄さん率いる「麦部会」で、農協職員と地元の人たちの7人で構成されるグループだ。


「麦部会」発足のきっかけは下郷農協に牛乳を提供していた酪農家の一人が引退したことに始まる。標高400mのところにある鎌城という集落の一角、8ヘクタールもの土地が余ることとなった。「こんなにいい場所をほたっておくのはもったいない。小麦栽培に利用できないか」と松本さんは考えた。


というのも当時、人気商品だった「耶馬溪饂飩」の生産が途絶えて3年ほど経っていた。地元で小麦を作る人がいなくなってしまったからだった。


小麦栽培は米の裏作として行われていたが、多くの農家が兼業へ移行していく時代の流れで、裏作がなくなり生産数が減っていった。しばらく、県外の小麦で饂飩の生産を続けた時期もあったが、商品名は「耶馬溪饂飩」。産地は表示していても購買者の誤認を招く恐れがあり、商品の生産をストップせざるを得なかった。


60年以上も安全な食材を提供してきた下郷農協へ絶大な信頼を寄せる購買者は少なくない。そんな方たちのためにも、いつか地元産の小麦で再開させたいとの思いは、松本さんの中にずっとあった。


また酪農を引退して、地域や農協とのつながりが減っていった原さん(現在麦部会メンバー)のことも気がかりで、なんとか元気づけたいと思っていた。さらに、日ごろデスクワークが中心の農協職員に、生産の現場を体験してほしいとの思いも。それら全てが「自分たちで小麦栽培を手がける」原動力になった。そうして、少しずつ準備を重ね、2011年に栽培を開始する。

酪農家の数は年々減っていて、一番多かった頃の20軒から現在は7軒までに減少。それでも下郷農協の中心は今でも酪農で、代表商品「耶馬溪牛乳」は、市内や近隣の大型スーパーにも並ぶ。牛乳を使ったカフェオーレやプリン、さっぱりとした美味しさのアイスクリームも人気。

畑は農協事務所から車で10分ほどの場所。山のてっぺんで空が近い。

畑を案内してくださった松本さん
一粒が大きくて立派な小麦粒。品種は「チクゴイズミ」。中力の地粉になる。

収穫が終った畑。収穫後の麦わらは牛の飼料となる。そして牛の糞は堆肥に。


メンバーは普段の仕事が休みの時を利用して集まる。
「お金のためではなく、人との交流や収穫後の打ち上げを楽しみに」と松本さんが言うように無理に収量を上げることはしない。利益や生活の糧のためであれば今のようには続けていけないだろう。

それでも化学肥料や農薬を使わないゆえの大変さはある。草取りは、正月明けと2月の後半の2回。寒い時期の作業だ。「収穫の喜びだけでなく、きついことも大変なことも含めてその過程を一緒に楽しめれば」と松本さん。


生産を続けるうちに、新しいアイデアも生まれた。
メンバーだけで行っていた収穫後の打ち上げを、どうせなら多くの人を巻き込んでやろうと数年前から始めたのが「そうめん流し」だ。地元新聞にも掲載され話題になった。

「いつやるのか」農協への問合せが増えたため、年末に配る農協カレンダーに載せることになった。今年は7月23日。

昨年の参加者は200人ほど。50mの距離を流れていく素麺をつかまえようと子供も大人も夢中になる。

 


数年前からは強力粉用の麦の栽培も始めた。知人の紹介で縁がつながった岡山や東京にあるこだわりのパン屋さんで使われている。

少し黒っぽいのは強力粉になる小麦。


「お客様に安全な地元産の小麦でできた麺を提供したい」、「仲間を元気付けたい」、「生産の苦労と喜びを共に体験したい」、「収穫の喜びを皆で分かち合いたい」、松本さんの、ひとつひとつの誰かへの思いが、今の麦部会の活動につながっている。

小麦の加工品は冷凍饂飩から始まって、素麺、乾饂飩へと増えていった。小麦の風味とモチモチとした食感が特長。

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