久々の書き込みです!
以前お茶の水に梨を送っていただいた三村農園さんを訪問して
生産者の長田さんに農園を案内していただきました。
生産者の長田奈美さん。
今は全ての収穫が終わり、これから剪定がはじまろうとするところ。
これで味や収量が決まる果樹栽培で最も重要な作業です。
剪定作業は全ての葉が落ちて、樹が休眠期に入ったところで始めます。
「休眠前に枝を切り落とすのは人間が起きたまま切られるのと同じ」でダメージが大きいと。
自然に葉が落ちていくのを待ちますが、長田さんの樹のように無肥料の果樹は
通常に比べ葉が落ちるのが遅いのだとか。
すでに12月も半ばですが、まだ葉を残している木もちらほら見受けられました。
キウイの栽培も。キウイは10年無肥料無農薬。収穫が終わり追熟を待って、出荷します。
お父さんの三村良久さんがいちじくをもいで持ってきてくれました。「いちじく(の栽培)は孫用」。
以前にも紹介しましたが、三村農園さんは100年続く梨農家で、
長田さんのひいおじいちゃんが韓国にいた頃に梨の栽培をはじめ
引き上げ後この中津市で梨農園を作ったそうです。
周辺に何軒かの梨農家さんがありますが地域で初めての梨農家で、
おじいさんの代には県内でも最大規模の梨農園でした。
そのため今でも、樹齢70年という珍しい古木が残っています。
樹齢70年の木。苔むして古木感があふれるけれど、まだまだ勢いがあって美味しい実を提供してくれる。
おじいさんの代からすると栽培面積はだいぶ減って栽培から収穫・出荷までの一連の作業は
現在では、お父さんと長田さんの二人だけで行っています。
ユニークなのは、お父さん担当エリアと娘の長田さんが担当するエリアが分かれていて
たまにお父さんに相談する以外は、お互い不干渉で、それぞれのやり方で栽培しているということ。
お父さんの樹は剪定作業中。
元々東京にあるファッション雑貨の企画会社でデザイナーをしていた長田さん。
フリーになって故郷の大分へ戻ってからも東京や大阪、中国などへの出張も多い
激務をこなすキャリアウーマンでしたが、体を壊したことがきっかけで、
働き方や食を見直すようになったそうです。
家業の梨農家を継ぐことを決め、環境や人に負担のないなるべく自然な農法で栽培したい、
といろいろと情報を調べはじめました。
そんな頃、果樹の自然栽培の指導者として全国を飛び回っている道法正徳さんに
耶馬溪でばったり遭遇。指導していただくご縁に恵まれたそうです。
すごい引き寄せ力!
道法さんは、ガイアでもおなじみの愛媛県無茶々園でもご指導されている方です。
通常は収穫などの作業のしやすさを考えて枝が横にのびるようにするのですが
道法さんの農法は木の生理に即した剪定のため、自然の摂理通り縦に伸びます。
そうすることで本来の生命力が発揮されて肥料がなくても美味しく元気な実をつけるとか。
梨はりんご以上に病気になりやすく、農薬を最も使う果樹とされていますが
道法さんの農法のおかげで、長田さんの梨は農薬の使用回数を1/4~1/3までに減らすことができています。
これも珍しい、まぼろしの梨といわれる「菊水」という品種の樹。
青くてさっぱりとした風味の梨だそうです。
こちらも来年収穫したらガイアにもご提供いただけるとのこと。
一年間丁寧に手をかけて出荷期間は8月の盆明けから11月のみ。
来年をどうぞお楽しみに♪
「春に花が咲く頃にぜひまた来てください」とおっしゃってくださいました。
長田さん、お父さん、ありがとうございました!